昨日、サイコスタッフ (まんがタイムKRコミックス)を読んで、過去の水上の漫画(げこげこ―水上悟志短編集 (ヤングキングコミックス)とか)を再度読んでみたら、繰り返し現れるモチーフがあるのに気づいた、でサイコスタッフはそれがテンコ盛りになっている。モチーフを列挙すると以下のとおり。
- 『何に使うのか分からない特殊な能力』を得、その後で、それが役に立つ機会に会う。
げこげこ、Hi Jump Rabbit、龍と少女と百鬼町、惑星のさみだれ、サイコスタッフ
- 特殊な能力を使った後その力を失う。
Hi Jump Rabbit、サイコスタッフ
- 努力は万能ではないがある程度、報われる。
怪人夏五郎、散人左道(ヒバチ)、サイコスタッフ
- 身に余る才能/能力は不幸を引き起こす
伝説の男、散人左道(黒布、無限)、サイコスタッフ
1番目のモチーフは受容の物語で、2番目は一度受容されれば/すれば、能力はもう不要であるということ。つまり大事なのは受容する/されることであり、能力自体は目的ではなく手段であること。3番目と4番目は世界はそこまで都合はよくないよということか。
こうまとめるとエンジェルお悩み相談所 (まんがタイムコミックス)は、問題の周りでバタバタするけど解決するわけではないが、それを受け入れるという過程の繰り返しだったんだなあと分かる。
これらの抑制されたモチーフや、ラストのキモチよさが、私が水上悟志を好きな理由なんだろう。