路傍亭@はてなブログ

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京都サンガの戦術

 29日の対川崎戦が余りにグダグダに見えたので、Jリーグのプレーの早さを見るために、5月2日は横浜M-川崎(日産スタジアム)とF東京-大宮(味スタ)をはしごして、各人のタッチ数を数えながら見てた。

 この4チームとも、ボールタッチは基本的に2タッチでまわす。1タッチでボールのコントロールと姿勢の制御をし、2タッチ目は味方へ確実に早いパスを出す。3タッチ以上するときは確実にドリブルでボールを有利な方向へ運ぶ。だった。

 基本2タッチというのはどこも徹底されていて、チームの違いは大まかに言うと2タッチ目のパスの精度、パスの受け手が基本近くか遠くかの組み合わせだった。ワン、ツー、ワン、ツーとテンポよくときに大きく展開する

 サンガのプレーはもたもたしてるという印象だったので、タッチ数が多いんだろうなと思いながらゴール裏で横浜M戦を見ながらタッチ数を数えていたら、面白いことに気づいた。

 サンガの選手のタッチ数が極端に少ないのだ。

 1タッチと2タッチが半々くらい。2タッチのプレーも体勢がかなり無理目のまま前線にフィードする。とにかく前線に早くボールを出すプレーが徹底しているのだ。
 優勢に勝ったマリノス戦だからかと、名古屋戦と浦和戦を見返してみたが、改めてタッチ数を数えながら見ると、確かに玉離れが早く前線にフィードすることが徹底されていた。(川崎戦は録画してないので確認ができなかった)

 これはサンガの弱点の大部分が説明できる戦術だ。

  • FWが前線で孤立する。

  前線へのフィードが早いからMFが追いつかない。

  • 戦術が柳沢

  柳沢程のキープ力がないとMFが追いつく時間を稼げない。豊田くらいではまだ間に合わない。

  • 引いた相手を崩せない

  フィードの早さで勝負なので、それが無いとパスの出し先が無くなって逆に非常にもたもたする。川崎戦はこの状態だった。

 通常はF東京のように運動量で局地的に数的優位をつくりながらパスをつないで前線へ攻めていくのがセオリー。これだと相手が引いてもなんとかなる。山形はサイド攻撃で、甲府はショートパスでこれを徹底して強くなった。

 サンガがこれを採らないのは何故だろう。

 サンガの選手は、基本的にトラップとドリブルが下手糞で、2002年頃と比べても何故だか上手くならないし、他から来た選手もこの2つは下手になってしまう(グランドが悪いのだろうか?)から、安全にまず前線に送る戦術を採るのだろうか。ここはなんともいえない。

 ただ、この戦術、脆い代わりに、ここまで早さを徹底するチームも少なく、ハマると少人数のカウンターが決まって気持ち良いことはこの上ない。

 今までは苦し紛れに雑に前線に蹴ってるようにみえて腹立たしかったが、意図がわかれば応援のしがいもある。

 不安定な戦術だけど、面白いな。京都サンガはこれを徹底するつもりなのだろうか。DFの安定と、前線にキーマンが複数存在することが勝利の必要条件で、その上でカウンターの個人技で点が取れるか、引いて守られた時の次の1手が編みだせるかが勝負の分かれ目だよな。