川越まつり会館は蔵作りの町並みの北端にあり、ちょっとした公民館くらいのビルの大きさがある。300円の入場料は高いかなと思ったがまあ入ってみた。
説明のおっちゃんによると、川越祭は350年前に川越松平氏が氷川神社に祭礼用具を寄進したのが始まりで、江戸時代は山車が10台で巡航していたそうな。これが明治以降、川越の経済が発達し、土蔵を造るような豪商が増えると、我も我もと山車を建設して祭りに参加してくるようになり、現在は29台の山車があるとのこと。
この山車の展示はは2ヶ月に交代で輪番だそうな。
祭りの朝から晩までを6分にダイジェストしたビデオが上映されおっちゃんの解説がつく。
この祭り、もともと江戸の山王祭、神田祭を真似して始めた祭りだけど、明治になって金がうなっている豪商がギミックに凝りだしたからさあ大変。
まず、山車の上部、人形が乗っている3段目が上下する。これは山王祭の山車も同じ仕組(江戸城に入る門をくぐるため高さ制限がある)だが、こちらは天下の公道で上げたり下げたり上げたり下げたり忙しい(笑)
普通は無垢の木の台車にも欄間彫をほどこしたり、屋根を唐破風の瓦仕立てにしたり、細かいところに贅をほどこしている。
極めつけのギミックは、台車の上に乗っている部分が360度回転し中の踊りが全ての方向から見られること。
この写真はある人が山車を作るために3500万円の私財をなげうった所で力尽きたのを遺族が市に寄付したもので、制作途中の骨組みだが、これを見ればわかるとおり台車と上の部分がずれているでしょ。こういう回転を辻辻でぐるぐるしながら町を進むんだ。このギミックは川越独自のものらしく明治時代に発展したのだとか。
ビデオのクライマックスでは台上で踊りながら山車の上部がぐるぐるぐるぐる回る絵が繰り返し放送される。ギミック好きには燃えるでしょ。夜明かりの中で回る姿は凄いよ。
さらに踊りも洗練されていて、台上で能面の人形がカクカク踊っていて、これもカラクリか、文楽人形かと見ていたら、これが人間の踊り。ブレイクダンスかロボットダンス風味の和風の踊りは洗練されていて味があった。
夜の路上では狐面の対の踊りがグネグネと、姫島の盆踊りもさもあらんというような野性的な踊りで良い感じだ。
まー、宣伝用ビデオなので非常に良いところだけを切り取ったのだろうけど、それを差し引いても熱気のある良い祭であるのが伝わってきた。夜の部とか見に行きたいねい。