路傍亭@はてなブログ

備忘録とか記録とか

今日の読書

ウニバーサル・スタジオ (ハヤカワ文庫JA)
北野勇作得意の、シンギュラリティ後の再帰的な再構成で世界が常にずれているモノ。今回は虚実の皮膜の上に、落語の語りや、阪神やら大阪コテコテネタが加わって混沌する上に、アトラクションという最初から嘘が本当な世界が混じって、まさに頭がウニになるような眩暈がした。印象的だったのは「針子」と「グリコーゲン」。世界を繕い続ける針子のイメージは秀逸。だけどすぐあとに針子が○○化してしまうのが可笑しい。星5つ。